気をつけたい栄養素 ~カルシウム~気をつけたい栄養素 ~カルシウム~

カルシウムが不足するとどうなるの?

カルシウムは、歯や骨の主要な構成成分となるほかに、細胞や筋肉、神経、血液のはたらきに関与しています。体内のカルシウムの99%は歯と骨に存在しており、カルシウムが不足すると、骨粗しょう症や動脈硬化などの原因となります。歯や骨の形成のためには、カルシウムを運び、骨に沈着するのを助けるビタミンDを合わせて摂取することが大切です。

1日に必要なカルシウムとビタミンDの量は年代により変わります。以下の表を目安に、十分な量を食事から摂るようにしましょう。なお、妊娠期と産後は代謝が変化し、腸管からのカルシウム吸収率が増加するため、妊娠・授乳によりカルシウムの摂取量を増やす必要はありませんが、普段の食事で摂取量が不足している場合は必要量をとるように心がけましょう。

. カルシウム、ビタミンDの必要量

出典:日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンスセンター 国立スポーツ科学センター. 女性アスリートのための栄養・食事ガイドブック, 2022

 

カルシウムは主に以下の食品に多く含まれています。

乳製品:牛乳、ヨーグルト、プロセスチーズなど
魚介類:いわし丸干し、ししゃも、さくらえび(干)など
大豆製品:納豆、豆腐、厚揚げなど
野菜類:モロヘイヤ、小松菜、チンゲン菜、切干大根など
その他:ひじき(乾)、いりごまなど

冷蔵庫に牛乳、乳製品、小魚(しらす、さくらえびなど)を常備しておいて、卵焼きやホットケーキに入れて調理したり、ひじきの煮物などを常備しておくと便利です。また、低脂肪の牛乳やヨーグルトにすれば脂質を抑えられます。脂肪が少ないスキムミルクをポテトサラダなどの料理に加えれば、手軽にカルシウムを摂ることができます。

カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、鮭やさんま、乾燥きくらげや干し椎茸に含まれています。上手に組み合わせて、効率的にカルシウムを摂るように心がけましょう。

出典:日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンスセンター 国立スポーツ科学センター. 女性アスリートのための栄養・食事ガイドブック, 2022

カルシウムが足りないとどうなるの?

カルシウムは、歯や骨をつくるはたらきのほかに、細胞(さいぼう)や筋肉、神経、血液のはたらきを正しく保つはたらきがあります。カルシウムが不足すると、骨がもろくこわれやすくなったり、血管がかたくなったりします。また、歯や骨にきちんとカルシウムが届くためには、カルシウムを運ぶはたらきがあるビタミンDを合わせてとることが大切です。

骨が最も成長する10代では、カルシウムを十分とる必要があります。1日に必要なカルシウムとビタミンDの量は年れいによって変わります。特に、中学生(12~14さい)は人生のなかで一番カルシウムが必要になる時期です。以下の表を目安に、十分な量を食事からとるようにしましょう。

. カルシウム、ビタミンDの必要量

出典:日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンスセンター 国立スポーツ科学センター. 女性アスリートのための栄養・食事ガイドブック, 2022

 

カルシウムが多い食品は?

カルシウムは、主に以下の食品に多くふくまれています。

乳製品:牛乳、ヨーグルト、プロセスチーズなど
魚介(ぎょかい)類:いわし丸干し、ししゃも、さくらえび(干)など
大豆製品:納豆、とうふ、厚あげなど
野菜類:モロヘイヤ、小松菜、チンゲン菜、切干大根など
その他:ひじき、いりごまなど

乳製品の脂肪(しぼう)が気になる場合は、低脂肪(しぼう)のものを選ぶと良いでしょう。成長期はカルシウムを最も必要とする時期です。乳製品は1日3回、さらに小魚、大豆製品、青菜を積極的に食べるようにすると良いでしょう。以下は1日に800㎎のカルシウムをとる場合の例です。

図. 必要量をとるためのポイント

出典:日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンスセンター 国立スポーツ科学センター. 女性アスリートのための栄養・食事ガイドブック, 2022

参考文献

  • ライフステージ別の食事のポイント:特に気をつけたい栄養素 1.カルシウム.女性アスリートのための栄養・食事ガイドブック,pp30-33,日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンスセンター 国立スポーツ科学センター,2022.

関連ページ

「食事/スポーツ栄養学」の記事を読む