男女の思春期とトレーニング男女の発育発達とトレーニングの至適年齢

思春期前のトレーニングの効果は?

スポーツの開始年齢はそれぞれ異なりますが、第二次性徴を迎える前に競技を始め、強度の高いトレーニングに取り組むアスリートも増えています。以前は、思春期前のトレーニングは成長に悪影響を及ぼす、あるいはトレーニング効果が得られない、といった誤解がありましたが、現在では、適切なトレーニングは安全であり、筋や骨、各種の運動パフォーマンスを高める効果があることが認められています。ただし、トレーニング適応(トレーニングに対する身体の反応や適応)は大人と全く同じではありません。

  1. 個々の成熟度を理解する
    筋力や運動パフォーマンスは身体の成熟とともに向上しますが、身長の最大成長速度などにみられる成熟のタイミングは、女子と男子では約2年の差があります。個人差も大きいため、個々の成熟度を考慮したトレーニング計画を立てます。
  2. 外傷・障害のリスクに注意する
    思春期においても運動トレーニングは外傷・障害の予防に役立つ一方、思春期に起こりやすいスポーツ外傷・障害もあります。痛みや不快感がある場合はトレーニング量や強度を調整し、速やかに医療機関を受診します。
  3. 十分な栄養を摂取する
    利用可能エネルギー不足は適切なトレーニング効果が得られないだけでなく、外傷・障害のリスクも高まります。特に、思春期には成長・発育のために必要なエネルギーも考慮し、十分なエネルギーと栄養素を摂ることが重要です。正常な発育発達であるかを知るために成長曲線を確認しましょう。また、平均初経年齢は約12歳です。15歳になっても初経がみられない場合は婦人科に相談しましょう。

思春期前のトレーニングに効果はある?

スポーツを始める年れいは人によりいろいろですが、第二次性徴(だいにじせいちょう)()があらわれる成長期より早くスポーツを始め、強度の高いトレーニングを行うアスリートも増えています。以前は、思春期前にトレーニングを行うと成長に良くないとか、トレーニング効果が得られない、といったあやまった考えがありましたが、今では、適切なトレーニングは安全で、筋肉や骨の発達や運動パフォーマンスを高める効果があることがわかっています。

※第二次性徴(だいにじせいちょう):思春期にあらわれる男女のからだの特ちょう

 

思春期のトレーニングで注意することは?

  1. 自分の成熟度を知る
    筋力や運動パフォーマンスはからだの成熟とともに向上しますが、身長がもっとも伸びるなどの成熟の時期は女子と男子では約2年の差があります。個人差も考え、自分の成熟度に合ったトレーニング計画を立てましょう。
  2. けがのリスクに注意する
    思春期の運動はけがの予防に役立つ一方、思春期に起こりやすいスポーツによるけがもあります。痛みや不快感がある場合は運動の量や強さを調整し、早めに病院に行きましょう。
  3. 十分な栄養をとる
    利用可能エネルギー不足は適切なトレーニング効果が得られないだけでなく、けがのリスクも高まります。特に、成長期・思春期には成長・発育にエネルギーを使うため、十分なエネルギーと栄養素をとる必要があります。成長曲線を使えば、からだの成長が正常に進んでいるかどうかがわかります。

参考文献

  • Jansson D, Lindberg AS, Lundberg E, Domellöf M, Theos A: Effects of Resistance and Endurance Training Alone or Combined on Hormonal Adaptations and Cytokines in Healthy Children and Adolescents: A Systematic Review and Meta-analysis. Sports Med Open, 8(1): 81, 2022.
  • Lesinski M, Herz M, Schmelcher A, Granacher U: Effects of Resistance Training on Physical Fitness in Healthy Children and Adolescents: An Umbrella Review. Sports Med, 50(11): 1901-1928, 2020.
  • 日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター編. アスリートのためのトータルコンディショニングガイドライン,日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター,2023.

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