競技種目や競技人口も考慮した上で、女性の方が男性より発生率が高いことが明らかになっている外傷や障害は多くありません。
女性アスリートに多いスポーツ外傷は?
膝の前十字靱帯損傷は、女性は男性の2~3倍多く、女性では高校生年代で発生しやすいとされています。また、女性の方が、他者との接触ではなく単独プレー中に起こりやすい(非接触型損傷)といわれています。

女性に多い要因としては、
- 靱帯が細い/短い
- 膝関節の外反が大きい(X脚が多い)
- 関節弛緩性が高い
- 着地やサイドステップ、切り返し動作の時に、女性は膝の屈曲が少ない、または膝が内に入りやすい(knee-in toe-out position:図)
- 筋力不足や筋のバランスの不良
- ホルモンの影響
などが挙げられています。
図. バスケットボールのボールキャッチの姿勢

出典:日本スポーツ振興センター 国立スポーツ科学センター,成長期女性アスリート指導者のためのハンドブック, 2014.
女性アスリートに多いスポーツ障害は?
通常では骨折しない程度の負荷であっても、骨の同一部分に対して繰り返し負荷が加わると疲労骨折の原因となります。疲労骨折は、「女性アスリートの三主徴(利用可能エネルギー不足、視床下部性無月経、骨粗しょう症)」が大きく影響する障害のため女性に多いととらえられがちですが、発生の割合に男女差があるかは明らかになっていません。
しかし、「女性アスリートの三主徴」のうち、1つがあると疲労骨折のリスクは2.4~4.9倍となり、3つすべてあると6.8倍高くなると報告されています。また、持久系(陸上長距離やトライアスロン)や審美系(新体操や体操)のスポーツで特に多いといった報告もあります。競技力を優先するあまり、基本的な体調管理をおろそかにすることは大変危険です。
スポーツ競技ごとに、行っている人数や男女の割合がいろいろなため比べることは難しく、女性に多いとわかっているけがは多くありません。ここでは、女性が気を付けたいケガについて知っておきましょう。けがは次の2種類に分けられます。
外傷(がいしょう)
ころぶ、ぶつかるなど1回のトラブルでおこるもの
例:骨折、ねんざ など
障害(しょうがい)
同じ部分に、何度もくり返し負担がかかっておこるもの
例:疲労(ひろう)骨折、野球ひじ など
前十字靱帯のけが ~外傷(がいしょう)~
「前十字靱帯(ぜんじゅうじ じんたい)」は、ひざの骨と骨をつないでひざを安定させる組織ですが、力が加わることなどで組織が傷ついてしまうことがあります。女性では男性より2~3倍多い、高校生の年代でおこりやすいという特ちょうがあり、他人とぶつかっておこるより、個人プレー中におこることが多いといわれています。


その理由として、次のようなことがあがっています。
- 靱帯(じんたい)が細い、または短い
- X脚(きゃく)の人が多い
- 関節がやわらかい
- 着地、サイドステップ、切り返し動作をする時に、女性はひざの曲がりが少ないか、ひざが内がわに入りやすい(図)
- 筋力不足や筋のバランスが悪い
- ホルモンがえいきょうする
図. バスケットボールのボールキャッチの姿勢

出典:日本スポーツ振興センター 国立スポーツ科学センター,成長期女性アスリート指導者のためのハンドブック, 2014.
疲労骨折 ~障害(しょうがい)~
骨の同じ場所に、ストレスがくり返し加わることでおこる骨折を「疲労(ひろう)骨折」といいます。男性、女性のどちらに多いかはわかっていませんが、「女性アスリートの三主徴(さんしゅちょう)」があると、疲労(ひろう)骨折がおこりやすいといわれています。
「女性アスリートの三主徴(さんしゅちょう)」とは、「からだが使えるエネルギーが不足している」、「生理がない」、「骨がもろくなっている」状態です。疲労(ひろう)骨折は、このうち1つがあると2.4~4.9倍、3つすべてあると6.8倍おこりやすくなるというデータがあります。
女性のからだの特ちょうを理解して、トレーニングをおこないましょう。