競技記録と性差競技記録と性差

性差は競技パフォーマンスに影響する?

一般的に、筋力、筋持久力、全身持久力、敏捷性、瞬発力などは女性に比べて男性の方が優れています。実際に、多くの競技において世界記録や最高成績は女性に比べて男性の方が1030%上回っています(表)。中でも、重量挙げ、跳躍競技など、筋力に依存するスポーツや種目において性差が大きいようです。一方、アーチェリーや射撃など、主に技術的要素に依存するスポーツでは、競技パフォーマンスの性差はほとんどみられません。

. 各種競技の世界記録と最高成績における性差

出典:Medicine & Science in Sports & Exercise. Hunter et al., 2024.

 

筋量や筋力の性差には、性ホルモンが大きく影響しています。成人男性のテストステロン分泌量は成人女性の約20倍で、筋量や筋力の性差の主な要因となります。

一方で、トレーニングに対する急性反応や適応反応における性差についてはあまり知られていません。トレーニングに関する過去の研究データは主に男性を対象としているため、今後は女性を対象とした研究データの公表がまたれます。

いずれにしても、男女の身体機能や体力の性差を理解し、トレーニングやコンディション調整を行うことが大切です。

性差は競技パフォーマンスにえいきょうする?

多くの競技において、世界記録や最高成績は、女性より男性の方が1030%上回っています(表)。重量挙(あ)げ、跳躍(ちょうやく)競技など、筋力のえいきょうが大きいスポーツでは性差が大きく、アーチェリーや射撃(しゃげき)など、技術的な要素が大きいポーツでは性差はほとんどありません。

. 競技パフォーマンスと性差の関係

出典:Medicine & Science in Sports & Exercise. Hunter et al., 2024.

 

ホルモンと運動パフォーマンスは関係ある?

筋肉の量や筋力には、性ホルモンが大きくえいきょうしています。男性のからだの中にある「テストステロン」という男性ホルモンの量は、女性の約20倍です。これが、筋肉の量や筋力に男女差がある主な理由です。

一方で、トレーニングによるからだの反応や変化に男女で差があるかはまだわかっていません。これまで、トレーニングに関する研究は主に男性が対象であったため、今後、女性を対象とした研究の発表がまたれます。

いずれにしても、男女のからだの機能や体力の性差を知り、トレーニングやコンディションの調整を行うことが大切です。

参考文献

  • Hunter SK, Angadi SS, Bhargava A, Harper J, Hirschberg AL, Levine BD, Moreau KL, Nokoff NJ, Stachenfeld NS, Bermon S: The Biological Basis of Sex Differences in Athletic Performance: Consensus Statement for the American College of Sports Medicine. Translational Journal of the ACSM, 8(4): 1-33, 2023.

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