脳振盪(のうしんとう)の症状は?
頭を打った後に頭痛や違和感が続く場合、脳振盪かもしれません。脳振盪は、外見で異常がなくても、後遺症が残ったり、最悪の場合は死に至る危険性があるため、正しく理解することが重要です。
女性アスリートを取り巻くスポーツ環境において、脳振盪に対する知識や認識を高めるため、HPSCではホームページを通じて情報発信を行っています。脳振盪の解説やアスリートの体験談を紹介する動画やクイズ、啓発パンフレット(PDF)を公開していますので、ぜひ参照してください。
脳振盪(のうしんとう)の啓発コンテンツ:HPSC
脳振盪ハンドブック(PDF)
脳振盪(のうしんとう)を起こしやすいアスリートは?
HPSCでは、脳振盪を起こしたアスリートが競技復帰までに必要とするサポートの調査や、脳振盪の既往歴や経験に関するアンケート調査を行い、男女における脳振盪受傷から回復までの違いを検討しました。
国際総合競技大会などの日本代表候補選手を対象に、脳振盪の既往歴を調査したところ、「脳振盪を起こしたことがある」と回答したのは全体の15.7%でした。内訳をみると、男性が13.8%だったのに対し、女性では17.8%で、女性の方が多いという結果でした。また、大会別でみると、夏季五輪選手より冬季五輪選手の方が、脳振盪の経験者が多いことがわかりました。さらに、大会別・性別でみたところ、夏季五輪男性選手は脳振盪の経験が少なく、冬季五輪選手は男女とも脳振盪の経験が多かったことがわかりました。
これらの調査結果は、アスリートにおける脳振盪の経験は女性アスリートに多いことを示しています。これは海外の報告と同じ結果でした。さらに、冬季競技でその傾向が強くなることも確認されました。
脳しんとうって、どんなケガ?
頭を打った後に、頭が痛くなったり、いつもと違う変な感じが長く続く場合は、脳しんとうかもしれません。脳しんとうは、からだやこころなどにいろいろな症状(しょうじょう)が出たり、からだの中の目には見えないところに異常が出ることもあります。
楽しくスポーツに取り組めるために、脳しんとうについて知っておくことはとても大切です。より多くの皆さんに脳しんとうについて知ってもらうために、HPSCでは動画を作りました。ぜひ皆さんでごらんください。
脳振盪(のうしんとう)の啓発コンテンツ:HPSC
脳しんとうになりやすいアスリートは?
HPSCでは、脳しんとうになってしまったアスリートが、スポーツをお休みしてからスポーツをまた始められるまでにはどのようなサポートが必要なのか、などについて調べ、女子アスリートと男子アスリートのちがいを探していました。
オリンピック/パラリンピックなどの日本代表候補(にほんだいひょうこうほ)の選手に対して、脳しんとうになったことがあるか、を調査したところ、全選手のうち約16%の選手は脳しんとうになったことがありました。男子アスリートで脳しんとうになったことがあるのは約14%でしたが、女子アスリートの方が多く、約18%でした。
また、夏と冬のオリンピック/パラリンピックに出場した選手では、冬の大会の方が、脳しんとうになった選手が多いことがわかりました。他の国の調査でも、女子アスリートは脳しんとうになったことのある人が多い、という結果が出ていて、日本の選手と同じような結果でした。