ウエイトコントロールの基本的な考え方-成長期-ウエイトコントロールの基本的な考え方-成長期-

成長期の減量で気を付けることは?

成長期には、成長に多くのエネルギーが使われるため、成人と同程度のエネルギー量を必要とすることがあります。減量は、主にレスリングや柔道など体重階級制がある競技や新体操など審美系の競技で行われますが、成長に必要なエネルギー量まで制限しないよう注意します。

過度な食事制限によりエネルギーや栄養素が不足すると、成長が阻害され、低身長、摂食障害、ケガのリスクとなります。また、食事が楽しめず家族との関係性に影響する懸念もあります。成長期の年齢や体格に見合ったエネルギーと栄養素を確保することが大切です。

急激に体重が減少したり、成長曲線を大きく下回る場合は、利用可能エネルギー不足の可能性があります。食事を見直したり、必要に応じて小児科医に相談してください。

成長期の増量で気を付けることは?

エネルギーや栄養素の過剰摂取は、体脂肪の増加や生活習慣病のリスクになります。また、一度に食べる量が多いと胃や腸など消化器官に負担がかかり、嘔吐や下痢の原因となります。増量のための食事計画は、成長速度を考慮した無理のない範囲で行いましょう。必要なエネルギーと栄養素を1回の食事で摂れない場合は、補食で補うようにします。

体重や体脂肪量が急に増えた、成長曲線で体重が大きく上回るという場合は、食事の量や内容を見直してエネルギー摂取量を減らしましょう。

体重を減らすときに注意することは?

試合に出るために体重を減らすことは、主にレスリングや柔道(じゅうどう)など体重ごとに階級がある競技や、フィギュアスケートなど演技の美しさや芸術性の高さを評価する競技で行われます。しかし、からだが成長する時期は多くのエネルギー量が必要なため、成長に必要なエネルギー量まで減らさないよう注意が必要です。

体重の減らしすぎは、低身長、摂食障害(せっしょくしょうがい)※、ケガのリスクになり、家族との食事が楽しめないという心配もあります。成長期は、年れいや体格に見合ったエネルギー量と栄養素をとれるようにしましょう。

急に体重が減ったり、成長曲線を大きく下回る場合は、必要なエネルギー量がとれていないかもしれませんので食事を見直しましょう。

※摂食障害(せっしょくしょうがい):食事のとり方が異常になり、こころやからだに症状(しょうじょう)が出る病気

体重を増やすときに注意することは?

エネルギーや栄養素を多くとり過ぎると、からだの中の脂肪(しぼう)が増えたり、将来病気にかかるリスクが高くなります。また、一度にたくさんの量を食べると胃や腸などに負担がかかり、はき気や下痢(げり)の原因になります。増量のための食事計画は無理のないように行いましょう。1回の食事で必要なエネルギー量や栄養素がとれない場合は、補食もとりましょう。

体重や脂肪(しぼう)が急に増えた、成長曲線で体重が大きく上回るという場合は、食事の量や内容を見直して、食事でとるエネルギー量を減らしましょう。

参考文献

  • 日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンスセンター 国立スポーツ科学センター. 女性アスリートのための栄養・食事ガイドブック(2022年3月), p.25.

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