利用可能エネルギー不足を改善するには?利用可能エネルギー不足の改善法

自分が利用可能エネルギー不足かを確認するには?

利用可能エネルギー不足とは、運動量に見合った食事量が摂れていない状態です。自分が利用可能エネルギー不足かどうかをスポーツの現場で確認することは困難です。自分の身長と体重を用いて体格を評価してみましょう。成長期(18歳未満)は標準体重、成人(18歳以上)はBMIの計算式を用います。


 
上記の計算式で算出した数値が、成長期(18歳未満)は標準体重の90%未満、成人(18歳以上)はBMIが18.5㎏/m2未満の方は、それ以上を目指しましょう。
 
利用可能エネルギー不足の原因はさまざまです。体重と運動量、食事量のバランスが崩れていないか、振り返ってみましょう。体重を減らすことばかりに意識が向いていたり、運動の量や強度が増えても食事の量は変えない、あるいは特定の食品をあえて食べないようにしているなどがないか、振り返ってみることが大切です。
 

利用可能エネルギー不足を改善する方法は?

望ましい体格になるよう、運動量と食事量を見直しましょう。運動量を減らすか食事量を増やして、エネルギーの摂取量と消費量のバランスがとれるようにします。運動量が変わらない場合は、最近の食事に1日あたり300~600kcalを追加します。以下の項目を参考にしましょう。

  • 1日3食きちんと食べる。特に朝食は大切。
  • 練習前後や練習中は補食により水分とエネルギーを補給する。
  • 主食(ご飯、パン、麺など)の重量(g)を計る。特に夕食の主食の量がポイント。
  • 特定の食品を食べない/減らさないで、まんべんなく食べる。
  • 練習後に食欲が落ちる場合、消化が良く食べやすいメニューを工夫する。
  • 量(かさ)を食べることができない場合は、高エネルギーの食品・料理を取り入れる。

利用可能エネルギー不足は「女性アスリートの三主徴」のひとつで、無月経や骨粗しょう症のリスクとなります。予防と改善が大切です。

利用可能エネルギー不足かを確認するには?

利用可能エネルギー不足は、運動で使うエネルギー量よりも、食事からとるエネルギー量が少ないとおこります。利用可能エネルギー不足かどうかは、自分の身長に対して体重が標準体重とどのくらいちがうのか、下の表を見て確認してみましょう。

表:東京大学医学部附属病院女性診療科・産科「Conditioning Guide for Female Athlete 1」 p.42

15さい以上の場合は、以下の計算式(平田式)からも確認することができます。

  1. 標準体重を計算する
  2. 身長160㎝以上:(身長㎝-100)×0.9
    身長150以上160㎝未満:(身長㎝-150)×0.4+50
    身長150㎝未満:(身長㎝-100)

  3. 標準体重と自分の体重の差を計算する
  4. 自分の体重㎏÷標準体重㎏×100(%)

標準体重の85%を下回る場合、食事の量は成長のために必要な量や運動の量に合っているか、体重を減らすことばかり考えていないか、食事の量を減らしていないかなど、考えてみましょう。

利用可能エネルギー不足を治す方法は?

運動量を減らすか食事量を増やし、身長と体重が増えるようにしましょう。今の食事量よりも増やすことを目指します。以下のチェックリストを参考にしましょう。

  • 1日3食きちんと食べる。特に朝食は大切。
  • 練習前後や練習中は補食で水分とエネルギーを補給する。
  • 主食(ご飯、パン、麺など)を減らさないよう重量(g)を計る。特に夕食の主食の量がポイント。
  • いろいろな食品を好ききらいなく食べる。
  • 練習後に食欲がない場合、消化が良く食べやすい食品・メニューを食べる。
  • 量(かさ)を食べることができない場合は、高エネルギーの食品・メニューを取り入れる。

利用可能エネルギー不足は、生理がこない、骨がもろく骨折しやすくなる、などの原因になるため、しっかり対策しましょう。

参考文献

  • 日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンスセンター 国立スポーツ科学センター. 女性アスリートのための栄養・食事ガイドブック(2022年3月), pp.12-15.

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