ライフステージごとの身体の特徴は?
女性の身体は女性ホルモンと深い関係があります。女性ホルモンの分泌量は年齢によって変化するため、ライフステージごとに身体に大きな変化がみられます(表)。
それぞれのライフステージに起こる身体の変化や健康上の問題に加え、妊娠・出産、育児と家事の両立、親の介護などのライフイベントとうまく向き合いながら、アスリートのキャリアを積み上げていくことが大切です。
表. 女性アスリートのライフステージ別 女性ホルモン分泌量および身体の変化・特徴

栄養学的な特徴は?
一般の人よりエネルギーを必要とするアスリートでは、エネルギー源の中心となる糖質(炭水化物)と、臓器や筋肉を作り身体の機能を調整するたんぱく質が特に重要です。また、カルシウムの摂取不足は骨粗しょう症と動脈硬化につながり、鉄の摂取不足は鉄欠乏性貧血につながりますので、不足しないように摂りましょう。また、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、鉄の吸収を助けるビタミンCを合わせて摂ると効果的です。
以下は必要なエネルギー量と栄養素の目安です。
表. 成人女性のエネルギーおよび栄養素必要量 ※妊婦、授乳婦は除く

※「日本人の食事摂取基準2020」(厚生労働省)より、身体活動レベルⅢ(高い)の値を使用した。
成人アスリートのからだの特ちょうは?
女性のからだは女性ホルモンの量と関係があります。女性ホルモンの量は年れいによって変わり、からだも大きく変化します(表)。将来のからだの変化を知って、アスリートとしてキャリアを重ねていくことが大切です。
表. 女性アスリートのライフステージ別 女性ホルモンの分泌(ぶんぴつ)量およびからだの変化・特ちょう

※1 更年(こうねん)期:生理が終わる前後5年間のこと。
※2 がんや心臓、脳の病気など、運動や食事などの生活習慣が原因で起こる病気。
成人アスリートの食事の特ちょうは?
アスリートはふつうの人よりたくさんのエネルギーが必要です。エネルギーを作る糖質(炭水化物)、臓器や筋肉をつくるたんぱく質、骨を強くするカルシウム、貧血を予防する鉄は、特に大切な栄養素です。
以下は成人アスリートが1日に必要とするエネルギーと主な栄養の量です。
表. 成人女性のエネルギーおよび栄養素必要量 ※妊(にん)婦、授乳婦は除く

※「日本人の食事摂取(せっしゅ)基準2020」(厚生労働省)より、身体活動レベルⅢ(高い)の値を使用した。