月経と基礎体温の関係は?
基礎体温とは、朝目覚めて身体を動かす前に測定する体温のことで、専用の「婦人体温計」を使って測ります。風邪の時など、一般的な体温計は脇で測りますが、婦人体温計は舌の下に置いて測ります。
月経がある女性では、排卵後、卵巣の黄体から分泌されるプロゲステロンの影響により基礎体温は上昇します。これにより、月経から排卵が起こるまでの約2週間は低温期となりますが、排卵後は高温期となり、二相性の基礎体温となります。
排卵がない場合は高温期がみられなくなり低温期が続くため、基礎体温を測ることで、きちんと排卵が行われているかを確認することができます。
東京大学医学部附属病院女性診療科・産科「Conditioning Guide for Female Athletes 1」より引用
基礎体温で何がわかる?
基礎体温をつけておくと、自分の身体についていろいろな情報を得ることができます。アスリートにとっては、コンディションやパフォーマンス向上につながる情報となるため、毎日の測定を習慣にするとよいでしょう。
アスリートが基礎体温を記録する目的は、次の3つです。
- 月経の予測ができる
基礎体温を測定することで次回の月経の予測が可能となることがあります。
一般的に、高温期が始まってから約14日後に月経がくることが多いです。
- 月経周期とコンディションに関係があるか把握できる
症状と性ホルモンの関連を知ることができます。
例えば、毎回月経前の高温期にコンディションに影響を与える症状がみられている場合は、プロゲステロンが原因であることが明らかになっている月経前症候群の可能性があります。
- 利用可能エネルギー不足※の徴候を確認できる
利用可能エネルギーが不足すると黄体機能不全となり、高温期が短くなります。
その状態が続くと無排卵になり低温期のみが続き無月経となります。高温期が短い/高温期がみられないという場合は利用可能エネルギー不足の徴候と考えられるため、運動量と食事量のバランスを見直す必要があります。
※利用可能エネルギー不足(Low Energy Availability:LEA):
運動によるエネルギー消費量に見合った食事からのエネルギー摂取量が確保されていない状態のこと。
基礎(きそ)体温って、なに?
基礎(きそ)体温というのは、朝おきて、からだを動かす前に測る体温のこと。かぜで熱があるときに使う体温計ではなく、「婦人体温計」という専用の体温計を使います。ふつうはわきの下で測りますが、基礎(きそ)体温は舌の下に置いて測ります。
生理がはじまった日から2週間くらいは低温期で、排卵(はいらん)があると高温期になります。また、次の生理がくるころにはまた低温期になります。排卵(はいらん)がない人では、基礎(きそ)体温はずっと低温期がつづきます。毎日、基礎(きそ)体温を測ると、きちんと排卵(はいらん)があるかどうかがわかるのです。
東京大学医学部附属病院女性診療科・産科「Conditioning Guide for Female Athletes 1」より引用
基礎(きそ)体温で何がわかるの?
基礎(きそ)体温は、自分のからだについていろいろと教えてくれます。コンディションやパフォーマンス向上につながる情報になるため、毎日測って記録をつけておくといいですよ。
アスリートにとって、基礎(きそ)体温を測ることには3つの目的があります。
- 次の生理がいつくるか、予測できる
基礎(きそ)体温をつけていくと、次の生理がだいたいいつくるかがわかります。高基礎(きそ)体温をつけていくと、次の生理がだいたいいつくるかがわかります。
高温期が始まってから、約14日後くらいに次の生理がくることが多いです。
- 生理周期とコンディションが関係するかがわかる
例えば、いつも生理前の高温期に、コンディションにえいきょうするつらい症状(しょうじょう)がある場合は、プロゲステロンという女性ホルモンが関係しているかもしれません。
プロゲステロンは、月経前のさまざまな体調不良の原因にあることがあります。
- 「利用可能エネルギー不足」※がないかがわかる
高温期が10日以内だったり、基礎(きそ)体温が低温期だけの場合は、「からだのエネルギーが足りていないよ!」というイエローカードのことがあります。
このカードが出たら、要注意!
そのままにすると子宮や卵巣のはたらきが止まり、やがて生理がこなくなってしまいます。運動量にたいして食事量が足りているか、もう一度見直してみましょう。
【覚えておこう!】
「利用可能(りようかのう)エネルギー不足」
食事からとるエネルギーが、運動で使うエネルギーより少ないために、からだが必要とするエネルギーが足りない状態のこと。