低用量ピルはパフォーマンスにえいきょうするのでは?ホルモン製剤の服用によるコンデションと運動パフォーマンスへの影響

ホルモン製剤の服用で、コンディションは変化する?

ホルモン製剤(低用量ピル、プロゲスチン製剤)の服用により、コンディションや運動パフォーマンスに影響がでるのではないかと心配する人は少なくありません。
国立スポーツ科学センター(JISS)で実施した調査では、低用量ピル服用後、頭痛や下腹部痛などの痛みと、むくみなど水分貯留による症状は改善がみられました。また、体重や体脂肪率、全身の周囲径など体組成、安静時心拍数および安静時の心臓自律神経系活動についても、低用量ピルの服用による変化はみられませんでした。
ただし、ホルモン製剤服用後のコンディションの変化には、個人差があります。服用後、気になる症状がみられる場合は、かかりつけ医にきちんと伝えるようにしましょう。

ホルモン製剤の服用は、運動パフォーマンスに影響する?

JISSでは、低用量ピル服用後の運動パフォーマンスへの影響についても調査しましたが、有酸素性能力、下肢筋力(等速性膝伸展・屈曲)、無酸素性持久力とも、低用量ピルの服用前後で変化はみられませんでした。また、プロゲスチン製剤については有酸素性能力のうち乳酸カーブや最大酸素摂取量について調査を行い、低下はみられませんでした。

低用量ピル服用前後の有酸素性能力

東京大学医学部附属病院女性診療科・産科「Health Management for Female Athletes Ver.3」より引用

低用量(ていようりょう)ピルなどのホルモンの薬を飲むと、コンディションが変わったり、パフォーマンスにえいきょうがあるでは?と心配する人もいます。
そこで、国立スポーツ科学センターでは低用量ピルを飲んだ人のからだと運動パフォーマンスの変化について調べました。低用量ピルを飲んだ人では、体重や体脂肪(たいしぼう)の割合や太ももやうでの太さなどからだのサイズ、運動したあとの心ぱく数、また、運動パフォーマンスにも変化はありませんでした。

参考文献

  • 東京大学医学部附属病院女性診療科・産科「Health Management for Female Athletes ver.3」p.89~107.

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