女性アスリート特有の健康問題とストレスの関係は?
女性アスリート特有の健康問題に、次の3つがあります。
- 利用可能エネルギー不足
- 運動性無月経
- 骨粗しょう症
これを「女性アスリートの三主徴(Female Athlete Triad:Triad)」と呼びます。過度な食事制限や継続的な激しいトレーニングで摂取エネルギーが不足することで起こりますが、ストレスがこれらの症状の引き金になることもあります。例えば、体重コントロールで「食べたいものが食べられない」「体重が減らない」などのストレスがあると、摂食障害や月経障害につながることがあります。
また、ストレスはTriadの原因となるだけでなく、Triadが新たなストレスを生み出す原因にもなります。新体操の選手を対象とした研究では、Triadの自覚症状があると、パフォーマンス低下や実力を発揮できないことにストレスを感じ、気分が落ち込みやすいという報告があります。
Triadを未然に防ぐためにも、心の健康を保つことが重要です。
心を健康に保つ方法は?
水が半分入ったコップを見て、「まだ、こんなに残っている」とポジティブに捉えるか、「これだけしか残っていない」とネガティブに捉えるか、どちらの方がストレスを感じやすいでしょうか。
ストレスを減らしたり受け入れるために、出来事の捉え方や行動を変える努力を「ストレスコーピング(ストレス対処)」といいます。女性アスリートを対象とした研究では、ストレスとなる出来事を考えないようにしたり、問題解決を先延ばしにするといった“回避型コーピング”より、「うまくいかないこともある」と捉えたり、ストレスの原因を明確にして、積極的に問題解決に取り組む方がストレスの低減につながることが報告されています。物事を肯定的に捉えることも、心を健康に保つ方法の一つです。ぜひ活用していきましょう。