生理の量が多いとき量の異常(過多月経)について

正常な経血量とは?

経血量を他人と比べることは非常に難しく、また「何gが正常」と具体的な数値で示すことは一般的ではありません。経血量は主観的なもので判断が難しいですが、「500円玉位のレバー状の血の塊が出る」、あるいは「夜用ナプキンを1~2時間ごとに交換する」必要があれば、経血量が多い(過多月経)といえます。
過多月経は、鉄欠乏性貧血の原因にもなります。メディカルチェックなどで貧血を指摘されたことがあるアスリートでは、自分の経血量をもう一度見直してみましょう。

過多月経の治療法は?

貧血はパフォーマンス低下の原因となります。貧血の原因が過多月経の場合は、子宮筋腫や子宮腺筋症などの病気からくる場合もありますので、これらの病気がないか産婦人科で診察を受けることが必要です。治療は原因によっても異なりますが、過多月経による貧血と診断された場合は、低用量ピルなどのホルモン製剤により経血量を減らしたり、月経の回数を減らすことで貧血の治療も同時に行うことができます。鉄欠乏性貧血に対し、鉄剤を何年も服用しているアスリートがいますが、過多月経による貧血の場合は、鉄剤の服用は根本的な治療にはなりません。産婦人科で正しい治療を受けることが大切です。

生理の量は、どのくらいがふつう?

経血(けいけつ。生理の出血の量)の量は、他の人と比べることができません。「何g」と数字で示すこともできないので、自分の経血量が多いか少ないかを知るのはむずかしいことが多いです。目安としては、「500円玉くらいのレバーのような血のかたまりが出る」、「夜用ナプキンを1~2時間ごとにかえないとだめ」、という量なら、経血の量が多い過多(かた)月経といえるでしょう。
過多(かた)月経は、からだの鉄分が不足する貧血の原因にもなることがあります。貧血といわれたことがある人は、自分の経血量がどのくらいか、チェックしてみましょう。

過多(かた)月経は治せる?

貧血があるとパフォーマンス低下につながることがあります。貧血の原因が過多月経の場合は、子宮に何らかの異常や病気があるかもしれないので、産婦人科で診てもらう必要があります。過多月経による貧血は、ホルモンが含まれる薬を飲むことで、経血の量を減らしたり、生理の回数を減らして治すことができます。
鉄分が不足する貧血といわれたから、と何年も鉄分の薬を飲み続けているアスリートがいますが、鉄分の薬では過多月経を治すことはできません。産婦人科で正しいちりょうを受けることが大切です。

参考文献

  • 東京大学医学部附属病院女性診療科・産科「Health Management for Female Athletes ver.3」p.26.
  • 東京大学医学部附属病院女性診療科・産科「Conditioning Guide for Female Athletes2」p.21.

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